強制執行による債権回収と対抗法
強制執行 債権回収公正証書
公正証書で差し押さえることができる
債権者のとってくる正当な法的手段としては、強制執行があります。これは、公正証書による強制執行、訴訟で判決を得て強制執行、支払督促で仮執行の宣言を得て強制執行する場合とがあります。
公正証書による強制執行は、公証人が法律に基づいて作成した契約書を債務名義(執行力が法律上あると認められた公の文書)として強制執行するものです。債務名義には、公正証書の他に確定判決、仮執行宣言付判決、和解調書・調停調書などがあります。
ただし、公正証書を債務名義として強制執行をするためには、その契約書の条項の中に「本契約を履行しないときは直ちに強制執行をうけても異議のないことを認諾する」といった執行認諾約款といわれる文言の入っていることが必要です。公正証書は裁判所の判決と同じ効力をもっており、債務者の不動産や家財道具・給料などの債権を差し押さえることができます。
公正証書は、原則として債権者である業者と債務者が一緒に公証役場に行って公証人に作成してもらうのが通常です。
しかし、現実には債務者から委任状と印鑑証明をとり、その委任状で債務者の立ち会いなくして公正証書を作成しているようです。したがって債務者の中には書類に中身もよくわからないまま署名・押印して、後でその書類の中に公正証書作成の委任状も含まれていたことに気がついたという場合もあります。
このような債務者の意思に反して作成された公正証書に基づく強制執行の場合には、請求異議の訴えという方法で不服の申立をすることができ、さらに強制執行停止決定の申立を行って強制執行を止めることができます。
ただし、その場合には債務額の一、二割の保証金の納付を裁判所から命じられることもあります。光債務者の財産と差押え 強制執行は債務者の財産に対してなされます。家や土地の不動産、家財道具などの動産、給料などの債権です。
借主がサラリーマンで不動産や動産でめぼしいものがない場合には、給料が差押えの対象となります。ただし、給料の全部が差し押さえられると普通のサラリーマンは生活ができないので、そこで日常的な生活費として支出する部分は、民事執行法で差押えが禁止されています。具体的には、給料の手取り額の四分の三の額と政令で定められた額(平成一六年四月一日より三三万円の予定)とを比べて、どちらか少ないほうが差押え禁止額です(民事執行法一五二条)。
たとえば、給料の手取り額が五〇万円の場合は、差押え禁止額は三三万円となり、給料の手取り額が二四万円ならば、差押え禁止額は一八万円です。ただ、その金額では生活が非常に苦しい場合は、差押え禁止額の増額を裁判所に申し立てることができます(同法一五三条)。
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